シングルデジタルゲートウェイ構想

個人の給付金申請はオンラインで!というので、当たり前にオンライン申請をしようとしてがっかりしたという方たくさんいますよね? 私はがっかりを通り越して、デザインのイケてなさに腹が立ちました。


仕事上でもたまに見かけますが、こんなにがっかりな設計が国レベルで行われていることに、しかもそれが税金で行われたことに、そして、その後発覚した、持続化給付金騒ぎも経て、ますまず進んで税金を払う意思がなくなりました


当然僕はマイナナンバーカードを持っているのですが、そう言えばこの怒り、前にも感じたな?とふと思い、よく考えると、この会社を立ち上げた時に登記を自分で実施した時のことを思い出しました。 


設立当時、こういう会社ですしITに携わる者として電子定款を利用して全てをオンラインで申請しようとしたのですが、手続きが本当に良く分からず、なんとか実践したが最後にICカードリーダーがMacに対応していないということが最後の最後に発覚し、頭に来てやめた。 

(その時に払った定款の認証手数料が人生で払った中で最も費用対効果が薄いと感じる支払いと思っていることは言うまでもない。)


電子定款もそうですし、今回の申請手続きの件もそうなんですが、なんていうんですかね、要は電子化をどうしてもしたければしてもいいけど、普通にやった方が結局早いよということを暗に伝えるという趣旨のサービス設計を敢えて行っているんじゃ無いかというように感じられて仕方ないんです。


システムおよびデータモデル設計では、サービス全体でユーザーエクスペリエンスを捉えた時に、まずデータのシングルポイントオブエントリーというのは基本だと思うわけですが、なぜかマイナンバーポータルでは、マイナンバーとパスワードの他に、マイナンバー発行時に提出した書類とその情報から当たり前に取得できる情報をなんと、手で入れろと書いてある。僕は、この画面を見た瞬間に「あ、つながってないんだ。 マ、そんなにイケてる訳ないよな。」と思い、むしろ期待した自分が恥ずかしくなってしまいました。


これからの時代はつながる時代と未来構想会議でも語ってなかったか。僕の聞き間違いか?でも、身の回りの企業サービスはつながる時代。保険だって、証券番号を一つ入れて本人確認できたら、携帯アプリにグループ企業の全保険証書が寄せられる。そういう世の中のはずなんですけどね。

どうして役所はこうならないんでしょうか? 持続化給付金のように、民間が役所をダメにしているのでしょうか? それとも、布マスク事件のように役所が浮世離れしているのだろうか・・・ 


思わず、ウチの子供に君が大きくなった時の世の中は大変だよ。負の遺産を引きつがされるから、覚悟した方が良いよ。給付金も取っておいた方が良いよと言ってしまいました。

話を戻します。 デジタルヨーロッパ構想をご存知ですか? これはEUが2020年から実施するEU全体レベルでの国家投資プログラムです。要予算なんと92億ユーロ。 GAFAを徹底排除して(ここは比喩的に書いてありますが)、ピュアヨーロッパで欧州をデジタル化産業で世界トップにする構想。 AI・コンピューティング・5G・EUサイバーシールド構想・EU統合共通データベース・シングルデジタルゲートウェイ・ブロックチェーンなどの要素技術開発と技術者養成を通して、欧州単一デジタルマーケットを構築。当然マルチテナントのクラウドでSMBも既存のEU大企業も同じ土俵にエントリーが出来る。


キーワード自体を見ると何の新しさも無いと思うだろうが、今回の日本の省庁間・官民での縦割りが行き過ぎて絶対に繋がらない超サイロ化された状況を見た時に、こうした統一構想が、複数民族・文化・言語を飛び越えたマルチナショナル間で実施するという合意形成と実現体制が既に確立されていることに僕は素直に驚愕した。


見た目こそ日本は一つの国家だが、省庁・地方自治体・企業連合などが、それぞれに小さな国を形成し連合と離反を繰り返し覇権を競う構図は、戦国時代くらいまで逆戻りしてませんかね。いやあ、厳しい戦いですよ。


また話がそれましたが、掲題のシングルデジタルゲートウェイは、EU市民がEU域内の他国でビジネスを行うために必要なあらゆる手続きや情報検索を一つのエントリーポイントで行うことができる。当然、データはワンタイムエントリー。 多言語対応は既に当たり前。(EUには翻訳を担当する組織がある) DG-GROWという欧州単一市場の実現に責任を持つ総局が担当しています。


以下のオフィシャルビデオが内容をよく紹介していますが、ユーザージャーニーに則って説明されており、多方面からの質問を想定してよく検討されていると感じます。利用者側のプロセスに沿って、サービスをデザインしているということがよくわかります。


デジタルヨーロッパ構想は、EU全体の戦略ですので、複数の総局が関わっているわけですが、GROWがビジネスエントリーにフォーカスし、MOVE(運輸)がCooperated and Connected Autonomous Mobilにフォーカスし、CNECT(総務)が通信やデジタルヨーロッパ化する産業など、ミッションステートメントに基づく棲み分けと襷掛けの検討体制がうまくデザインされています。 しかも、まず検討の最初に、ビジョンとガイディングプリンシプルに合意するステップを必ず踏むため、縦割りの弊害・断絶を避けながらうまく組織運営されていることがよくわかります。


以下ビデオですが、シンプルショーっぽい動画のテクニックも痺れます。(イラストを手書きしていくスキルがすごい)2023年12月までにゲートウェイは準備完了するみたいですよ。



EUという統合自体がヒト・モノ・カネの統合なので、この取り組みはこれまでのEU統合の集大成かもしれませんね。

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