リーダーシップ教育

 昨年はお休みしてしまったのだが、これまで毎年必ずリカレント学習として、社会人向けの教育プログラムの受講やあるテーマを持った自己学習をするようにしており、今年の下期は、リーダーシップ教育についての社会人向け大学講義を受けることにした。(そういえば、鎌倉検定も持っている。 3級だが。)


 コロナ禍ということもあり、基本的にはリモート学習なので、気楽にマイペースで受講しようと思い申し込んだのだが、事前および事後の学習が非常に大変で、実はある資格試験と並行して学習する計画だったが、資格試験の勉強は先送りすることにしたほどである。


当社のサービスにもあるように、イノベーティブな課題解決をどのように行うことができるのか?という視点で、クリティカルシンキングやデザイン思考、サービスデザインなどについての学習や、社会人向けプログラムを受講を通して学び、学びに基づく問題解決アプローチをお客様に対するコンサルテーションに反映してきた。今回も、そのスキル・知識の最新化と強化が目的である。

 

これまでに受講した社会人向けプログラムは、遥かヨーロッパまで2週間出張したり、アメリカの大学開催の3ヶ月オンラインコースを時差のある中、深夜早朝に講義を受けたりと、なかなかユニークな学習経験で、かなり海外でのトレーニングに傾倒していた。これらの学習は、非常に良い知識や経験であったので、ぜひ日本にも広めたいと考えるようになったものの、日本のお客様にどのようにこれらのスキル開発の価値を訴求するべきか?という点で今ひとつ答えがはっきりという課題認識があった。


 例えば、ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、リーダーシップ、ファシリテーションなど、書いて並べてしまうと、どうしても、問題解決に必要な過程の一部に焦点を当てた方法論やテクニックの講義という解釈をされてしまうことが多く、今ひとつ、もっと本質的な人間の行動様式の変容や考え方の実践に向けた育成というコンテクストをうまく訴求するところに迄は至らなかったのである。


 私自身がどのように社会人の育成世代を過ごしたかと言えば、旧PwCの、昭和の匂いプンプンの徒弟制度のなかで上司先輩にビシバシとしごかれ、ひいひい言いながら、実務の中でこのようなスキルを学んでいった。当時を思うと、企業実務では特に与えられたミッションを、決められたタイムラインとチーム体制の中で生産的に議論を進めていく過程で求められるスキルや行動様式が、とにかく大学での研究や学習の過程で求められるものと全く違い、「なんでこのようなことについては大学では学ばないのか?」 という疑問でいっぱいで、大学と実務の分断、非連続性からくる非効率に怒り心頭であった。


 また仕事で海外に出てみると、海外で出会う人間は、就職してからこのようなスキルを習得したというよりも、子供時代からの教育課程のなかで段階的に教育と実践を通して培ってきているように感じることが多く、やはり海外の教育過程が日本と大きく違うところに問題があると感じ、そもそも、これらのスキル群はそもそも米国のMBAから輸入されたものであるので、日本は遅れているのだと考えるようになった。 このような思いもあり、どのようなコンテクストで問題解決に係るスキル育成を訴求するのか、そもそも土壌がよくないのではないかという考えを持っていたのである。


 そのため、どちらかと言うと研修・育成を全面に出したサービスというよりも、コンサルテーションの中で、お客様自身の力を引き上げるサポートをするファシリテーションの役割を自分がうまく取り入れることで、結果的にお客様の課題解決と課題解決の過程における、お客様のスキル向上を行うと言う形でのコンサルティングサービスの実践が主となっている。


 このアプローチの結果、特に、長くご担当しているお客様においては、期間あたりの課題解決の件数が増加する。これは、課題解決をリードできる人材が増えることで、組織全体の課題処理能力があがり体制が強化されたことを示す。この傾向が見え出すと、時間の経過とともに課題あたりの処理時間が減少し、また、同時並行的に対処できる件数も増加する。件数の増加は新たな人員の投入を必要とし、課題解決アプローチに参加するメンバーが増えることで、さらに課題解決をリードできる人材が育つと言うサイクルである。


 しかし、現状では、このようなサイクルは単にコンサルテーションの副産物という扱いで、メインの価値訴求ではない。そのため、チーム力を強化し組織としての課題処理能力を向上させること自体を狙いとしたコンサルテーションの価値訴求に向けた、知識の再整理・体系化と必要な知識の習得をしたいと言うのが、今回のリーダーシップ育成に関する学習動機である。


 学習が始まりそろそろ3ヶ月が経つのだが、ここまでの学び・発見としては、特に過去20年における大学における教育改革の流れと現在の教育指針が、私の学生時代と大きく変容しているということである。不勉強を恥じるしかないのだが、少なくとも大学と企業における教育上の断絶というのは方向性としては埋まっていく流れにある。 特に「学士力」という言葉の定義は、私が新人の時に感じた疑問と怒りに対して一定の解を与えるものであった。

 

 しかし、「学士力」という言葉は、普段あまり目にしない言葉である気がする。実際、ニュースや記事を検索してみても、あまりヒットしなかったり、ネガティブな捉えをする過去の記事が見つかる程度なので、マイナーな言葉なのかもしれないが、定義を見ると大学(学士過程)の修了要件として、学生が習得すべき能力が学士力であり、その学士力の定義は、課題解決力に対する能力に関する要件が含まれているのである。


 次回以降で、学士力と問題解決力の関係性、リーダーシップ教育に関しての考えを整理していきたい。




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