Understanding and Observation

デザインシンキング 備忘録 

自分の整理の為の備忘録#3はほとんどが要約でした…

Jobs needs to be done. とは、和訳(出典:ジョブ理論 M クリステンセン, タディ ホール, カレン ディロン, デイビッド S ダンカン, 依田 光江、ハーパーコリンズ・ ジャパン)では「顧客が片付けるべき用事・仕事」と訳されているが、これはいわゆるニーズよりさらに奥深いものとして区別します。

私は宿を経営していますが、宿を始めてみて、人間が宿泊するそもそもの理由(Job)の多様さに驚きました。 宿をとる=旅行する というのがもっとも直感的で一般的な解釈だと思うのですが、私もそう考えて、どうやって旅行者にアピールするべきかずっと考えていたのですが、お客様のプロファイル、そして宿を必要とする理由(Job)は、どれもわかってしまえば大したことはないシンプルなものですが、そのJobの多様さに素直に驚き、現在はそれら理解した上で適切なソリューションを打ち出すことが必要だと日々考えています。もちろん、旅をすること自体にも、多様なバリエーションがあり、それぞれが求めているサービスが違うことは言うまでもありません。 

こうした個別多様なJobの理解を通し、マス・カスタマイゼーションでは対応できないサービスを現場で提供することが、個人経営の強みかもしれません。

ここからが備忘録ですが、所謂ニーズ・シーズとJobがどう違うかということを整理のために考えてみると、どれも、ユーザーが何らか困っていること、もっと便利にならないかと考えていること、つまり何らかの目に課題認識があり、そこに解決策が必要だということには変わりはないのではないかと思います。(実際には目の前の課題で未解決なものはあまり残っておらず、ユーザーが課題と認識していない顕在化していない課題をどう捉えるかということになりますが)

しかし、Jobとニーズ・シーズの違いは、その課題認識が正しいものであるのか、ある事象に対して正しいレンズで分析しているのか?と言う事を疑い、深く分析しようと言う意味で異なると考えます。そもそもニーズ・シーズというのは従来のマーケティング手法を代表するワードでもあると思うが、統計的推論や一般的な社会認識からニーズ・シーズを導き、その実証をフィールドスタディで実施するというアプローチであるのに対して、デザインシンキング では、ユーザーの行動を徹底的に監視し、顕在化している課題に対しては、「なぜ?」を徹底的に追求し、根本的な課題・原因追求を行なった結果として、Jobを定義する。という違いと理解しています。

これも概念的な話なので、クリステンセン氏の例示(出典: Job理論)を私の再現用いて説明します。

あるバーガースタンドが利益率の高いシェーク(マックシェーク的なもの)の売り上げが伸びない事に悩んでいた。

一般的に考えると、シェーク=甘いものという事で、子供がメインターゲットであると考えたとする。簡単な販売促進としては、例えば特別な日にな親にシェークをおねだりしよう!などのメッセージで子供にキャンペーンをアピールする事で、親におねだりをさせるなどが考えられる。するとソリューションとしては、子供に対する売り上げをどう伸ばすか?ということが思い浮かぶ。例えば、親子のまとまった注文に対してシェークをサービスするキャンペーンを週末に実施し、客単価を伸ばしつつ、子供のシェークのリピート購入を促すなど、色々と考えられる。 しかし、この仮説は正しいのだろうか?

そもそも、子供が一人で来店してシェークを買うというケースは(特にアメリカでは)非常に少ないケースである。さらに最近ではファーストフードは、特に子供のいる家庭においては、できるだけ避けたい(業界の方ごめんなさい)食べ物の一つになっており、親がシェークを許可する(せざるを得ない)ケースというのは、さほど多くないと考えられる。

であれば、本来子供をターゲットにするためには、保護者をどう説得するのか?というところが成功を左右する要因になるのではないか? 

ここで行動分析のアプローチを加えてみると、既に前段にヒントも書いてしまったが、親におねだりをさせるというよりも、親がシェークを認めざるを得ないシーンというものをより具体的に紐解いて見ましょうという事である。親が「仕方ないわね」となってしまうのはどういう時なのか? 

・厳しい(親にイヤイヤやらせれている)習い事の後、

・会議が伸びて子供のお迎えが遅くなってしまい子供が怒っている状況、

・実家に帰る深夜の長距離ドライブ、バケーションに向かう楽しい車中

などなどがパッと思い浮かぶ。

であれば、これが、どれくらいのまとまった販売かはおいておいて、平日の遅い夕方や週末に親に対してシェークのついで買いを喚起するキャンペーンの方が良いという事である。

さらに書籍原文では、実はさらにシェークを買っていく中年のオジサンの下りがつき、実はシェークを平日の朝に買う中年男性層が多いことに気がついた店主が発見した意外なJobとシェークの効用が記述されています。

とここまでは単なるまとめに過ぎないのですが、、別の方向からJob定義に対するデザインシンキング的アプローチを言うと、デザインシンキング では、仮説は置くものの、ユーザーの徹底した行動分析を通して、課題(Job)をゼロから定義する探求活動を通して世の中がまだ気がついていないJobとソリューションを定義してゆきます。

この探求活動のキーポイントは、KJ法の川喜田二郎先生の定義を借りて説明すれば、探求のプロセスにおける「野外観察ステージにおける探検と観察」に対してどれだけリソースを投下できるかということとも言えると思います。 現実の経営では効率性・生産性が追求されますが、課題発見における探検と観察ステージは、効率的に推進すべきものではなく、探検という言葉が示すように、あれや、これやと試行錯誤を繰り返し、様々な気づきや自然に湧いてくる疑問を大切にするという性質上、リソース投下に対するリターンで測ってしまうと、許容できないプロセスと定義される為、非常に実行が難しい。 この点が、デザインシンキング プロセスの定着化における最大の障壁ではないかとも考えます。




#デザインシンキング #KJ法 #川喜田二郎

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